天敵スズメバチ王と政略結婚しましたが、食べられそうなのは私の心です 〜溺れるのは蜜か毒か〜

「意外にやるじゃねえかミツバチ族!
ひ弱なだけじゃねえんだな!」
「こんな食料を作れるなんて……
これは武にも通じる力よ!」
「この団子、冬季になったらもっともらえるのか!? 最高かよ!」
「おれ……ミツバチの嫁さんほしくなってきた!!」
「一般の蜂は結婚しないだろ!」



火の輪をくぐり、陶酔して笑いながら
刃を交わすスズメバチたち。

火鉢から立ちのぼる果実酒の蒸気が
甘く粘つくように鼻腔をくすぐり、
祝宴は狂騒のような盛り上がりを見せた。


カミリアはその熱に圧倒されながらも
ほんの少しだけ、微笑んでしまった。


(ミツバチの花粉団子……
スズメバチが食べると、こんなに酔ったような効果が?
けど……喜んでもらえてよかった!)


ミツバチだけが作れる、栄養満点「ローヤルゼリー」入りの花粉団子。
見事にオオスズメバチたちの胃袋をつかんだようだ。



その時、上座の玉座から――




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