MYSTIQUE
一郎は、新聞配達と日雇いの仕事を始めた。
ろくに食べさせてもらえず、本来は義務教育の身でありながら中学にも通えず、ボロボロになりながら働いても、その給料は母親が湯水の如く使ってしまうだけだ。
その後も当然、高校進学などできるはずもなく、かといって中卒ではまともな就職も出来ず、一郎はフラフラになってでも昼も夜も働き続けた。
ふと、母親はあることに気付いた。決して気付くべきではなかったことに。
「お前は可愛いから、もっと稼げる仕事があるはずだよ」
「何⋯⋯?」
「夜の街で立ってな。ババアかオヤジか、どっちかがお前のことを買ってくれるだろうから」
その言葉に、一郎は酷くショックを受けたが、
「さっさと行け!稼いでくるまで家には入れない!」
そう言って、母親は一郎を部屋から追い出し、鍵をかけた。
開けてくれと喚いたりすれば、近所迷惑になってしまうので、一郎はそれも出来なかった。
ろくに食べさせてもらえず、本来は義務教育の身でありながら中学にも通えず、ボロボロになりながら働いても、その給料は母親が湯水の如く使ってしまうだけだ。
その後も当然、高校進学などできるはずもなく、かといって中卒ではまともな就職も出来ず、一郎はフラフラになってでも昼も夜も働き続けた。
ふと、母親はあることに気付いた。決して気付くべきではなかったことに。
「お前は可愛いから、もっと稼げる仕事があるはずだよ」
「何⋯⋯?」
「夜の街で立ってな。ババアかオヤジか、どっちかがお前のことを買ってくれるだろうから」
その言葉に、一郎は酷くショックを受けたが、
「さっさと行け!稼いでくるまで家には入れない!」
そう言って、母親は一郎を部屋から追い出し、鍵をかけた。
開けてくれと喚いたりすれば、近所迷惑になってしまうので、一郎はそれも出来なかった。