僕の愛しい泥棒娘
「つまり、クーデターを起こすという事
か?」

とカリアス総長がウーと思わず唸った。

「そこまで考えているかわかりませんが、王
位継承権を持つのは今の所私とボラリスの二
人です。私は辞退したいのですが、そうする
と余計にワイナリー公爵の思う壺なので、そ
れも出来ないのですが、テイアラを盗んで我
が家を窮地に追い込んで爵位没収か国外追
放
「ならば、王妃への攻撃はこれからも増すと
考えなければならないな。無事に出産されて
も王子なら、今度は王子の身にも危険がある
何とか、それまでにワイナリー公爵の野望を
砕かなければいけない」

とユリウス近衛騎士団長が深刻な声音で呟い
た。

「ひとまずクーデターの証拠探しは難航する
でしょうから、ワイナリー家の不正な帳簿で
の脱税を指摘して爵位没収位まではもってい
けないのですか?」

とジョナリオが聞いた。正攻法だな本当に、
真正直で正義感の塊のようなこの男は、明日
にでもワイナリー公爵に直撃しそうだと、
アウトレッドは心の中でため息をついた。

「ジョナリオ、わかっているだろうが、この
話はここだけの事だ。少しでもワイナリ―
公爵に知られたら余計に切り崩せなくなる
肝に銘じて、変に手を出すなよ」

「分かってるよ。でも身重の王妃様に手を
出すなんて我慢ならないよ。ソリエッタに
なんて言えばいいんだ」

「大丈夫だ、ソリエッタは長女だけあって、
肝も据わっている。でも、まだ今回の事は
知らさなくてもいいと思う」

そう言って陛下も余裕を持っていられたのは
その時までだった。
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