召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
「司書の仕事……鑑定、解析した魔術書を書架に入れてもらってもいいのですが、もしも奥で侵入者に遭遇してしまったら大変です。あそこまで侵入できる人間は、限られていますから」
つまり、凄腕の魔術師だとラモーナは言っているのだ。思わず息を呑んだ。
「なので、アゼリアさんは入り口付近の巡回をお願いします。時々、迷い込んでここまで来ちゃう人がいますので」
「ここから禁書の所蔵場所です、なんて案内板を作れないものね」
「害のない人間相手なら、面倒なんで、本当は作りたいところですが、ガチで狙ってくる人間がいますから……」
ラモーナが緑色の瞳を遠くへ向ける。それだけで、彼女の苦労が忍ばれた。
「その面倒な相手は私が引き受けるから、ラモーナは自分の業務に専念して」
「アゼリアさん……! ありがとうございます。今日こそ、あの書類の山を粉砕して見せます!」
粉砕? 片付けるんじゃなくて?
私は自分のことよりも、ラモーナの心身が心配になった。休みが必要なのは、むしろラモーナの方ではないのか、と思ったほど。
つまり、凄腕の魔術師だとラモーナは言っているのだ。思わず息を呑んだ。
「なので、アゼリアさんは入り口付近の巡回をお願いします。時々、迷い込んでここまで来ちゃう人がいますので」
「ここから禁書の所蔵場所です、なんて案内板を作れないものね」
「害のない人間相手なら、面倒なんで、本当は作りたいところですが、ガチで狙ってくる人間がいますから……」
ラモーナが緑色の瞳を遠くへ向ける。それだけで、彼女の苦労が忍ばれた。
「その面倒な相手は私が引き受けるから、ラモーナは自分の業務に専念して」
「アゼリアさん……! ありがとうございます。今日こそ、あの書類の山を粉砕して見せます!」
粉砕? 片付けるんじゃなくて?
私は自分のことよりも、ラモーナの心身が心配になった。休みが必要なのは、むしろラモーナの方ではないのか、と思ったほど。