召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
「もしかして、さっき届いたもの?」
「はい。注文していたものが、ようやく届いたんです。開けてみてください」
「えっ、私が?」
「アゼリアのために、特注で作ったものですから。是非!」

 自信満々にいうグリフィス。特注にしては、文庫本よりも小さい包み。けれど絵本よりも厚みがある。いや、数冊という可能性も否定できない。

 私はおそるおそる包みを開けた。

「これって……」
「随分、お待たせしてしまいましたが、ご注文のタロットカードです」
「な、中も見ていい?」
「どうぞ。これはもう、アゼリアの物ですから」

 無地の箱に手をかけ、そっと開ける。敢えて絵柄を描かなかったのは、私を驚かせたかったのか、それともグリフィスの照れ隠しなのかは分からない。
 けれど目に飛び込んできたのは、これから旅に出ようとする、可愛い淡い黄色がかった茶色の垂れ耳ウサギのイラストだった。

「ふふふっ」
「お気に召していただけましたか?」
「えぇ。これなら、相談所を再開しても、心強いわ」

 だってこれは、ウサギ姿のグリフィスが描かれているんだもの。離れていても、寂しくなったらこれを見ればいい。

「ありがとう、グリフィス。使うのが勿体ないくらい、素敵なタロットカードだわ」

 私はニコリと笑い、同じように満足げに微笑むグリフィスに向かって抱きついた。
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