召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
「アゼリア!」
その図書館へと一歩、足を踏み入れようとした瞬間、後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
一年前、グリフィスが私につけてくれた名前。始めは慣れなかったけれど、今では自然と自分の名前だと認識できるようになった。
反田梓葉の名前を忘れたわけではない。けれどグリフィスの妻、アゼリア・ハウエルを演じるには、ちょうどいい役名だと思えたのだ。
私は後ろを振り向き、青い髪の女性に向かって手を振った。
「ヘルガ! おはよう!」
「おはよう! 今日も早いのね」
「そっちこそ」
「私はいつも通りよ。でも、アゼリアは違うでしょう?」
笑顔で返事をすると、ヘルガは金色の瞳を細めて返してくれた。彼女はこの世界で初めてできた、私の友達である。キッカケは……聞かずもがな。ここの図書館で、である。私がこの世界に馴染めているのは、偏にヘルガのお陰といっても過言ではない。
その図書館へと一歩、足を踏み入れようとした瞬間、後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
一年前、グリフィスが私につけてくれた名前。始めは慣れなかったけれど、今では自然と自分の名前だと認識できるようになった。
反田梓葉の名前を忘れたわけではない。けれどグリフィスの妻、アゼリア・ハウエルを演じるには、ちょうどいい役名だと思えたのだ。
私は後ろを振り向き、青い髪の女性に向かって手を振った。
「ヘルガ! おはよう!」
「おはよう! 今日も早いのね」
「そっちこそ」
「私はいつも通りよ。でも、アゼリアは違うでしょう?」
笑顔で返事をすると、ヘルガは金色の瞳を細めて返してくれた。彼女はこの世界で初めてできた、私の友達である。キッカケは……聞かずもがな。ここの図書館で、である。私がこの世界に馴染めているのは、偏にヘルガのお陰といっても過言ではない。