幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
そしてこの日も、私はユリウスの腕の中で彼の欲情を受け入れていた。

「はぁ……セシリア……なんて君は美しいんだ……」

耳元に熱い声が落とされるたび、胸の奥が震える。

毎晩のように求め合い、彼は私を抱きしめては、その愛を注いでくれる。

けれど今夜は、どこか違っていた。

「君が……欲しくてたまらない。」

強く抱き寄せられ、深く刻まれる熱に体が震える。

「ユリウス……もう、だめ……」

必死に訴えても、彼の瞳は切実で、逃れることなどできなかった。

「セシリア……いくんだ……俺の腕の中で……」

吐息混じりの言葉が心を突き抜け、私は甘い渦に呑み込まれていく。

愛と熱が幾度も重なり、果てる瞬間ごとに彼の愛を確かめ合う。

その夜、私は思い知った。

──どんなに抗っても、この人の腕から離れられない。

愛されることが、こんなにも幸福で切ないなんて。
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