幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛

第8章 愛の宣言

翌日、私はユリウスに手を引かれて王宮へと連れて行かれた。

「どうしたの? ユリウス⁉」

胸がざわめき、不安が募る。

「もう我慢できない。父に直談判する。」

「えっ……!」

私の心臓は跳ね上がった。

運が悪いことに、国王は執務室にいた。

「父上。」

重厚な扉を押し開けると、ユリウスの真剣な声が響く。

「なんだ、急に。」

机から顔を上げた国王の視線が、私に注がれた。

居たたまれず、私はうつむいてしまう。

「お話があります。」

ユリウスはためらうことなく私を抱き寄せた。

「セシリアとの結婚を、今すぐに認めてください。」

「なに……?」

国王の声が低く響き、空気が凍りつく。

「彼女を妃にしたい。誰にも渡さない。俺のすべてを賭けても構いません。」

ユリウスの瞳は決意に満ちていた。

私はただ、彼の腕の中で震えるしかなかった。

──まさか、こんな形で国王に訴えるなんて。
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