幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
長い食卓につき、銀の食器を前にしても、私はただ緊張で胸が高鳴っていた。

王宮の人々の視線が、ちらちらと私に注がれているのを感じる。

「どうして私がここに……」そんな思いに、つい俯きそうになった。

その時だった。

ユリウスが私の手を、ためらいなく取って握りしめた。

「ユリウス……⁉」

思わず驚き、顔を上げる。

「彼女は俺の妃だ。」

低く、しかしはっきりと響いた声に、食堂の空気が一瞬で張りつめる。

「殿下、それは……」と囁く声。

「まだ正式には……」とざわめく声。

周囲の人々の表情は驚きと困惑で揺れていた。

けれどユリウスは一切動じず、堂々としたまなざしで人々を見回した。

「彼女に異を唱えるなら、俺を敵に回すことになる。」

強引すぎる宣言に、頬が熱くなる。

けれど、彼にこうして守られていることが、何よりも心強かった。

──私はもう一人ではない。

ユリウスが隣にいる限り、この王宮で戦っていける。
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