幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
日々を追うごとに、ウェディングドレスは順調に仕上がっていった。

仕立て屋が試作品を前に説明する。

「袖口に薔薇の刺繍を施しましょう。手を動かすたびに映えて、とても美しく見えるはずです。」

「袖口か……」

隣で聞いていたユリウスは、腕を組んで唸った。

「襟口には入れられないのか?」

「難しくはありませんが……繊細な作業になりますね。」

仕立て屋は困惑気味に答える。

私は思わず吹き出しそうになった。

──まるで私のウェディングドレスではなく、ユリウスのウェディングドレスみたい。

「なんだ、セシリア。」

不思議そうにこちらを見る彼に、慌てて首を振る。

「いえ……そんなにこだわってくださって、嬉しいなって思っただけです。」

するとユリウスは真顔で言った。

「当然だ。俺のセシリアだからな。」

あまりにも熱い言葉に、胸がじんと震える。

──彼は本気で、私のすべてを大切にしてくれているのだ。
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