幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
庭園を歩いていても、私の頭の中は刺繍のことばかりだった。
「角に刺繍する薔薇は、もう少し花弁を重ねた方が……」
気づけば口に出してしまい、ユリウスが苦笑する。
「セシリア、散歩の最中まで薔薇のことか。」
「だって、仕上げたいんですもの。」
胸に手を当てると、彼は大げさにため息をついた。
「分かったよ。じゃあ、こっちに来い。」
半ば呆れながらも、ユリウスは私の手を引いて歩き出す。
導かれた先は、王宮の奥にある薔薇の花園だった。
一面に咲き誇る薔薇の花々が風に揺れ、甘い香りが漂う。
「どうだ? 本物の薔薇なら、刺繍の参考にもなるだろう。」
ユリウスが片眉を上げて笑う。
「まぁ……なんて綺麗……!」
思わず息を呑んだ。赤も白も淡い桃色も──それぞれが命を輝かせている。
夢中で花びらに触れる私を、ユリウスは優しく見つめていた。
「本当に薔薇が好きなんだな。……俺は君が好きだけど。」
耳に甘い囁きが届き、頬が熱くなる。
──薔薇よりも、彼の愛が胸いっぱいに広がっていくのを感じた。
「角に刺繍する薔薇は、もう少し花弁を重ねた方が……」
気づけば口に出してしまい、ユリウスが苦笑する。
「セシリア、散歩の最中まで薔薇のことか。」
「だって、仕上げたいんですもの。」
胸に手を当てると、彼は大げさにため息をついた。
「分かったよ。じゃあ、こっちに来い。」
半ば呆れながらも、ユリウスは私の手を引いて歩き出す。
導かれた先は、王宮の奥にある薔薇の花園だった。
一面に咲き誇る薔薇の花々が風に揺れ、甘い香りが漂う。
「どうだ? 本物の薔薇なら、刺繍の参考にもなるだろう。」
ユリウスが片眉を上げて笑う。
「まぁ……なんて綺麗……!」
思わず息を呑んだ。赤も白も淡い桃色も──それぞれが命を輝かせている。
夢中で花びらに触れる私を、ユリウスは優しく見つめていた。
「本当に薔薇が好きなんだな。……俺は君が好きだけど。」
耳に甘い囁きが届き、頬が熱くなる。
──薔薇よりも、彼の愛が胸いっぱいに広がっていくのを感じた。