幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
薔薇園に立ち並ぶ花々は、夕暮れの光を受けて一層鮮やかに輝いていた。

私は夢中で花びらに触れ、その繊細さに見とれていた。

「セシリア。」

後ろから腕が回され、ユリウスの胸に引き寄せられる。

「この薔薇たちを見ていると、未来の寝室を想像してしまう。」

耳元で囁かれ、思わず振り返った。

「寝室……?」

「そう。君が仕立ててくれたベッドカバーの上に、この花々のように彩られた寝室だ。そこに君と俺が並んで眠る……考えただけで胸が熱くなる。」

頬が一気に熱くなり、薔薇よりも赤くなってしまいそうだった。

「ユリウス……そんなこと、人前で……」

彼は笑い、さらに抱き寄せる。

「人前だからこそいいんだ。皆に見せつけたい。俺の花嫁が、どれほど愛おしいか。」

「もう……」

小さく抗議したけれど、心は甘くとろけていく。

薔薇の香りと彼の声が重なり、未来の夜を予感させる囁きは、何よりも甘美だった。
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