幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
ついに、長い時間をかけて刺繍したベッドカバーが完成した。

真っ白な布地いっぱいに咲き誇る薔薇の模様。

自分の手で仕上げた証がそこにある。

「ユリウス、できました。」

広げて見せると、彼の瞳が大きく見開かれた。

「……セシリア、本当に君が?」

「はい。嫁入り道具ですから。」

彼は一歩近づくと、そのまま私を抱きしめた。

「すごい……頑張ったな。」

次の瞬間、熱い唇が重なる。

「んっ……」

久しぶりに深く、強く求められる口づけ。

針仕事に夢中で、しばらく控えていた熱が一気に解き放たれる。

「セシリア……もう離したくない。」

耳元で囁かれ、胸がとろけるように熱くなる。

──努力を認められ、愛で包まれる。

それは、何よりも甘いご褒美だった。
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