幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
それからというもの、ユリウスは毎日のように私に会いに来てくれた。

「セシリア。」

玄関をくぐるなり抱きしめてくる姿も、もう見慣れた光景になっていた。

最初こそ父は険しい顔をして止めに入っていたけれど、次第に言葉を失い、やがては黙って通り過ぎるようになった。

「止めても、想いは止まらないだろう。」

父なりの苦渋に満ちた言葉だったが、どこか諦めと理解が混じっているように聞こえた。

少しずつ、私たちの仲を認め始めているのかもしれない。

「今日は、庭でハーブティーが飲みたい。」

ユリウスは子供の頃のように無邪気に笑い、私の手を取って庭へと連れ出した。

陽の光に照らされた庭園は、昔と変わらない。

花々の香りに包まれ、鳥のさえずりが響く中、私たちは並んで腰を下ろした。

「ここはやっぱり落ち着くな。」

そう言って微笑むユリウスの横顔を見ていると、幼い日の記憶が胸に蘇る。

そして今は──その思い出の続きを共に描いているのだと実感し、胸が温かくなった。
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