幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「俺の側にいるのは……小さい頃からセシリアだった。」

ユリウスの真剣な眼差しに、胸が熱くなる。

「いつの間にか、これが当たり前になればと思っていた。けれど……気持ちを伝えない限り、何も変わらないんだな。」

彼の静かな告白に、私は小さく頷いた。

「私も同じです。……あなたが好きなのに、ずっと言えなかった。」

言葉にした途端、心の奥に秘めていた想いが一気に溢れ出す。

ユリウスの瞳が優しく揺らぎ、次の瞬間、唇が重なった。

一度触れたはずの口づけは、すぐに深まり、止まらなくなっていく。

「……ああ、セシリア。キスが止まらないよ。」

熱を帯びた声が耳元に落ち、全身が震えた。

胸の奥で溶け合うような甘さに、抗うことはできなかった。

私も両腕を伸ばし、彼を強く抱き寄せる。

「ユリウス……」

名を呼んだ声は涙混じりで、それでも幸せでいっぱいだった。

幾度も重なる口づけに、幼馴染みだった日々が遠ざかり、私たちは確かに恋人へと変わっていった。
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