幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「でも……私は本当に妃としてやっていけるかしら。」

小川から上がり、濡れた裾を気にしながら、不安を口にした。

ユリウスは私の前に立ち、濡れた髪を乱暴にかき上げる。

「やってもらうしかない。」

その声音は強く、それでいて優しい。

「俺が支える。俺の側にいるのは、セシリアしかいないと思っている。」

真剣な瞳に射抜かれ、心が大きく揺れた。

こんなにも真っ直ぐに想いを告げられて、どうして信じずにいられるだろう。

「……夢みたい。」

思わず洩らすと、ユリウスは小さく笑った。

「夢じゃないよ。」

靴を履き直した彼が近づき、そのまま私を抱き寄せる。

胸板に顔を預けた瞬間、全身を温もりが包んだ。

「これは、本当の恋だ。」

その言葉が、耳元で確かに響く。

幼馴染みとして過ごした時間が、恋へと変わり、未来を誓うものへと繋がっていく──。

私はその腕の中で、もう後戻りできない幸福を噛みしめていた。
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