幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
最近、侍女の表情がどこか弾んでいるのに気づいた。

「お嬢様が最近、とてもお綺麗になられたので……身の回りのお世話をするのが楽しいのです。」

嬉しそうに告げられて、思わず首を傾げる。

「そうかしら?」

侍女はにっこり笑い、この前ユリウスから贈られた花の髪飾りを私の髪に差してくれた。

「このごろ、いつも輝いていらっしゃいますよ。」

差し出された鏡の中には、少し頬を紅潮させた自分の姿が映っていた。

いつもと同じ顔のはずなのに、どこか柔らかい光を帯びて見える。

「……そう見えるの?」

自分では気づけなかった変化に戸惑う。

けれど、胸の奥は知っている。

その理由が誰にあるのか。

「ユリウス……」

心の中で名を呼ぶだけで、鏡に映る表情がさらに和らいでいく。

愛する人に想われ、支えられている。

その幸せが、知らぬ間に私を変えていたのだ。

侍女の微笑みを見ながら、私は小さく息を吐いた。

──そう、これは恋に染まっていく証なのだ。
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