幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
母の言葉が胸に深く響いた。

──覚悟を決めなさい。

その一言は、私の心を覆っていた霧を晴らしてくれるようだった。

不安は消えない。けれど、彼を愛する想いはそれ以上に確かで強い。

「……お母様。私、決めました。」

自分の声が震えているのがわかる。けれど、その震えさえも覚悟の証のように思えた。

「ユリウス殿下と共に生きたい。どんな困難が待っていようと、離れたくありません。」

母は静かに頷き、優しく私の手を握った。

「それでいいのよ。女はね、愛する人のためなら強くなれるものよ。」

その言葉に勇気をもらい、胸の奥に熱が広がっていく。

私はもう迷わない。

──ユリウスを選ぶ。

幼い日からずっと好きだった人を、今度こそ全身全霊で愛していく。

夜空を仰ぎ見た時、そこに輝く星々さえ、私の決意を祝福してくれているように思えた。
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