幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
そして今日も、ユリウスは変わらず私の屋敷を訪れた。

「……ああ、セシリア。今日も君に会えた。」

応接間に入るなり、彼は迷いなく私を抱きしめてくれる。

その温もりに包まれるたび、胸が熱くなった。

「そうだ、セシリア。これは庭園に咲いていた花なんだ。」

彼は手にした一輪を差し出す。

鮮やかな色彩に、思わず息を呑んだ。

「綺麗ね。」

素直にそう伝えると、ユリウスは満足そうに微笑んだ。

「だろう? セシリアに似合うと思ったんだ。」

その言葉に頬が一気に熱くなる。

まっすぐな瞳に見つめられていると、花の中に顔を隠してしまいたいほど恥ずかしかった。

けれど同時に、心は幸福でいっぱいだった。

彼が花を摘み、私に渡してくれる──幼い日の思い出が蘇る。

あの時も薔薇を差し出してくれた。

そして今もなお、変わらず私に想いを届けてくれるのだ。

花を胸に抱きながら、私は確信する。

これは子供の戯れではなく、真実の愛なのだと。
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