幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
私たちは庭の奥にあるガラス張りのハウスへと足を運んだ。

陽光に包まれた中で、真紅の薔薇が鮮やかに咲き誇っている。

「ああ、薔薇が咲いているね。」

ユリウスは幼い頃と同じように、一輪をそっと摘み取り、私の前に差し出した。

「今度こそ、受け取ってほしい。」

その声音に胸が震える。

子供の頃は意味もわからず拒んでしまったけれど、今ならはっきりとわかる。

これは彼の愛の証──私への永遠の誓いなのだ。

「……はい。」

私は両手でその花を受け取り、胸に抱きしめる。

「セシリア……」

低く熱を帯びた声と共に、ユリウスが一歩踏み込んだ。

背中が壁に押しつけられ、逃げ場をなくした瞬間、彼の影が覆いかぶさる。

「ユリウス……」

呼ぶ声は震えていたけれど、心は確かに応えていた。

彼は迷いなく私の唇に触れる。

ゆっくりと、けれど深く重ねられた口づけに、全身が熱に包まれていった。
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