幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「……でもこんなこと、結婚前にされるなんて。」

頬を赤らめ、視線を逸らすと、ユリウスが私の肩を抱き寄せた。

「セシリア。恥ずかしがることはない。」

低く囁き、真剣な瞳で私を見つめる。

「俺は君の結婚相手だよ。」

その言葉に胸が熱くなり、思わず息を呑む。

──結婚。夢のようで、けれど確かに響いた言葉。

「セシリア。」

ユリウスが私の名を呼ぶ声は、いつになく真剣だった。

「いつか……君を王宮の庭園に招く。」

「……楽しみにしています。」

胸の奥に小さな灯がともる。

彼は立ち止まり、真っ直ぐに私を見つめた。

その瞳に映っているのは、幼馴染みの私ではなく、愛する女性としての私だった。

「そこで──君にプロポーズさせてほしい。」

「……はい。」

頬が熱くなりながらも、しっかりと答えを返した。

ユリウスは安堵したように微笑み、私の手を強く握る。

「きっとだよ。絶対に約束を果たす。」

その手の温もりと真剣な瞳に、胸がぎゅっと締め付けられた。
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