幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛

第4章 庭園のプロポーズと初めての夜

そして数日後、ユリウスから正式な王宮への招待状が届いた。

「今度、庭園に来てほしい。」

その文面を見た瞬間、胸が高鳴った。──あの日交わした約束を、彼は本当に守ってくれたのだ。

私は準備を整え、馬車に揺られて王宮へ向かった。

あの婚約披露の夜以来の訪問。

門をくぐると、思わず胸が締め付けられる。

大玄関の階段には、すでにユリウスが立っていた。

真っ直ぐに私を待つ姿に、胸が熱くなる。

「よく来てくれた。」

彼は微笑み、軽く頭を下げた。

「お招きいただきありがとうございます。殿下。」

自然と口から出たのは、恋人としてではなく、公爵令嬢としての礼の言葉。

ここが王宮であり、彼が皇子であることを、改めて実感する。

それでも──その瞳に映るのは、ただの幼馴染みではなく、愛する私だけだと信じたかった。
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