幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
遠くから見えるユリウスは、第2皇子としての正装に身を包み、誰よりも凛々しく輝いていた。

剣を佩き、背筋を伸ばしたその姿は、私の知っている幼馴染みではなく、この国を背負う皇子そのもの。

ただ見ているだけで、胸が締め付けられる。

──「おめでとう」と、どうしても伝えたい。

けれど、それすら口にできない間柄になってしまった。

幼い頃は笑い合い、花を追いかけて庭を駆け回った仲だったのに。

今では手を伸ばすことすら許されないほど、彼は遠い存在になっていた。

やがて儀式が始まる合図が響き渡る。

煌びやかな大広間に集う貴族たちが、一斉に整列していく。

公爵、伯爵、男爵……地位ある者たちが次々に姿を現し、皆が一様に祝福のために集められていた。

「これほど多くの人が彼を祝うのだ。」

その事実が、いっそう胸を締め付ける。

ユリウスはもう、国と民すべてのものなのだ。

私だけの幼馴染みではなくなってしまったのだ──。
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