幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
そしてユリウスは、私の唇に自らの唇を重ねた。

「ん……んん……」

吐息が混ざり合い、胸の奥が熱くなる。

「セシリア……」

名前を呼ばれるたび、心臓が大きく跳ねた。

何度も、何度も重ねられる口づけ。

けれど今夜のそれは、これまでの甘いやり取りとは違っていた。

ただ触れ合うだけではない。深く、強く、想いを確かめるように。

「ぁぁ……」

声が漏れ、全身に熱が広がっていく。

腕に抱かれるたび、唇を奪われるたびに、時間の感覚が消えていった。

「君が欲しい……」

低く囁かれた言葉は、口づけ以上に胸を震わせる。

その瞬間、私は悟った。

──これは一時の愛撫ではなく、私を生涯の伴侶として求める誓いなのだ。

唇を重ねながら、私たちは互いの未来さえ確かめ合っていた。
< 66 / 150 >

この作品をシェア

pagetop