幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
夜が更けていく間に、どれほど彼に抱きしめられただろう。

もう数えることをやめてしまうほど、私たちは繰り返し想いを重ね合っていた。

「セシリア……君は本当に、俺を夢中にさせる。」

熱を帯びた囁きが耳元に落ちるたび、体の奥まで甘い痺れが広がっていく。

「愛してる……」

「君だけが大切だ……」

果てるたびに、ユリウスは決して欠かさず私に甘い言葉を贈ってくれた。

その一つひとつが、まるで宝石のように胸に積み重なり、私を幸福で満たしていく。

彼の腕に包まれていると、痛みも不安もすべて溶けていった。

ただ、愛されているという確信だけが心に残る。

「ユリウス……」

名を呼ぶと、彼はまた優しく唇を重ね、抱きしめてくれた。

──この夜、私は幾度も夢を見た。

彼の愛の言葉に包まれながら、永遠を信じられる夢を。
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