幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「ユリウス、この国がどうなってもいいのか!」

ついに国王が怒りを露わにし、玉座の間にその声が響き渡った。

「おまえのやるべきことは、この国を守ることだ!」

その一喝に、居並ぶ貴族たちは息を呑み、場が静まり返る。

だがユリウスは一歩も退かず、堂々と父王を見据えた。

「では、国王に問います。」

低く、しかし力強い声が響く。

「国を守るというのは──愛のない結婚を強いることですか! 人の心を犠牲にした婚姻が、果たして真の平和を生むのでしょうか!」

その問いかけに、重々しい沈黙が広間を包んだ。

宰相も、貴族たちも言葉を失い、ただ親子二人の激しい視線のぶつかり合いを見守る。

国王の瞳は怒りと困惑に揺れ、ユリウスの瞳は愛と信念で燃えていた。

父と子、王と皇子──二つの立場を超えて、真実が問われていた。

私は大広間の隅で震える胸を押さえながら見つめた。

──この瞬間こそ、ユリウスの未来と私との愛のすべてが懸かっているのだ。
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