幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
声を詰まらせながらも言い切った時、ユリウスの腕の力が少しだけ緩んだ。

「お願いです……どうか、今は冷静になってください。」

涙に濡れた視線を重ねた瞬間、広間の空気が張り詰めたまま凍りついた。

ユリウスは私を抱く腕を震わせ、必死に感情を抑えているのが分かる。

「セシリア……君はそれで本当に幸せなのか。」

その問いは、彼自身の胸を切り裂くような声だった。

「私は……殿下と共にあることが幸せです。ですが同時に、民が戦に苦しむ姿を見たくはありません。」

嗚咽混じりに告げると、彼の瞳が大きく揺れた。

「……俺は、君を失うことだけは考えられない。」

震える声で吐き出すと、ユリウスはゆっくりと腕を緩めた。

「けれど、君がそう願うのなら……俺は君の言葉を受け入れる。」

その言葉は、彼にとって最大の苦悩の証だった。

力なくも優しく私を抱きしめ直し、額を重ねた。
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