幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「やめてください、殿下……こんなことは……」

必死に抗う声とは裏腹に、胸の奥では会いたかった気持ちが爆発しそうに揺れていた。

ユリウスは離れようとせず、強く私を抱きしめる。

「セシリア……拒まれても、俺は君を手放さない。」

「だめ……民が……国が……」

そう言い募っても、頬に落ちる彼の吐息が熱くて、理性が溶けていく。

「民のために君を失えというなら……俺はそんな国を選ばない。」

低く震える声が耳元で響いた瞬間、私の抵抗は揺らいだ。

「ユリウス……」

名前を呼んだ途端、彼の唇が私を捕らえる。

「んっ……」

押しつけられた唇は、強引でいて、同時に切実さに満ちていた。

必死に背を押し返そうとした手が、次第に力を失い、代わりに彼の衣を握りしめる。

「ああ……」

「許してくれるのか……?」

熱を帯びた声が耳に落ちる。私は涙を浮かべながら、小さく頷いた。
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