幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「セシリア……もう我慢できない。」

ユリウスの囁きと同時に、熱い唇が重なった。

「んっ……」

突然の口づけに胸が高鳴り、押し返そうとする腕が彼の衣を掴むだけになってしまう。

「殿下、だめ……」

必死に抗おうと声を漏らすたび、彼はさらに深く求めてきた。

「離れられないんだ。君を思わない夜なんてない。」

言葉とともに、再び口づけが降り注ぐ。頬に、額に、首筋に──止まることなく繰り返される。

「やめて……」と小さく呟いても、涙交じりの声は震えていた。

本当は拒みたくない。抱きしめられるたび、心の奥が熱くなっていくのだ。

「セシリア……君は俺のものだ。」

その強い吐息に、心も体もすべて捕らえられてしまう。

「……ユリウス。」

名前を呼んだ瞬間、また深い口づけが重なった。

──抗えない。彼の愛はあまりにも激しく、甘く、私を溺れさせていく。
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