幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
「ああ……」

彼の激しい動きに、息をするのもやっとだった。

押し寄せる熱に翻弄されながら、ただ必死に名を呼ぶ。

「セシリア……絶対に……離れない……」

切実な声と共に、胸の奥深くへと愛が注がれていく。

「っ……あっ……」

身体が甘い痺れに包まれ、抗うことなどできなかった。

「ユリウス……」

涙混じりに名を呼ぶと、彼は力強く私を抱きしめる。

「これで分かっただろ。君が……誰のものか。」

熱を帯びた囁きが耳を打つ。

そんなこと──とうに分かっている。

私の心も体も、もうすべて彼のもの。

けれど、それでもなお彼は確かめずにはいられないのだ。

「ユリウス……」

抱き締められるたび、胸が痛いほど幸せで、同時に逃げ場を失っていく。

──私は彼に愛され、求められ、決して離れることを許されない。

それでも、その腕の中に囚われていることが、何よりも幸せだった。
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