純愛初夜、次期当主は初恋妻を一途な独占愛で貫きたい。
テーブルには白いクロスが敷かれ、キャンドルの灯りがゆらゆらと揺れている。メニューを見ると、値段に目が飛び出そうになるけど、廉斗は「気にすんなよ」と笑う。その笑顔に、つい安心してしまう。
「花暖、最近忙しかったろ? ちゃんと食べてる?」
「うん、大丈夫。廉斗は?」
「俺はバリバリ稼いでるからな。花暖を幸せにするためにもさ」
その言葉に、胸がじんわりと温かくなる。廉斗はいつもこうやって、私を安心させてくれる。メインのステーキが運ばれてきて、ナイフを入れるとジューシーな香りが広がった。ワインを一口飲むと、ほのかに甘いベリーの香りが鼻をくすぐる。
こんな贅沢な時間、私には似合わないんじゃないかって、頭の片隅で思う。でも、廉斗の笑顔を見ていると、そんな考えも消えていく。
「ねえ、花暖、ちょっと話したいことあるんだけど。」
廉斗の声が少し真剣で、フォークを持つ手が止まる。