明治誓いの嫁入り──政略結婚から始まる危険なほど甘い溺愛
「はい。」

その胸の中に飛び込むと、浴室の時と同じように、誠吾さんは力強くも優しく、ぎゅっと抱きしめてくれた。

やがて布団をめくり、私を横に寝かせる。

「怖いことはしないから。」

「……はい。」

静かな声に頷いたものの、浴衣の帯が解かれ、布が滑り落ちる。

裸になるなんて思いもしなかった。

枕元に置かれた灯りが、かえって羞恥を煽る。

誠吾さんもまた浴衣を脱ぎ、その姿を惜しげもなく晒した。

熱を帯びた視線が私に注がれ、言葉が落ちる。

「澄佳……本当に綺麗だ。」

それは、この夜、私に与えられた唯一の救いだった。

「……気に入ってくださいましたか。」

震える声で問うた。

「気に入ったも何も── 一目惚れした。」

熱を帯びた声と共に、誠吾さんの唇が私の唇に重なる。
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