明治誓いの嫁入り──政略結婚から始まる危険なほど甘い溺愛
夫を受け入れる。それが妻の務め──そう自分に言い聞かせる。

「……ゆっくり入れるね。」

熱が私の中に押し入ってくる。

「……うっ。」

思わず声が漏れる。

まさかこんなにも強く、深く、ねじ込まれるなんて。

「力を抜いて……大丈夫、俺が支える。」

「……はい」

ぎゅっと布団を握りしめ、息を整える。

痛みに震えるたび、誠吾さんの腕が私を抱き締めてくれる。

力を抜くごとに、彼はさらに奥へと進んでいき──

「……澄佳。」

熱に貫かれた瞬間、胸の奥で何かが弾けた。

痛みと同時に、言葉にならない安心感が広がっていく。

「やっと……君と一つになれた。」

誠吾さんの低い声に、胸の奥まで熱くなる。

そっと、少しずつ動き始めた体に、思わず声が漏れた。
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