明治誓いの嫁入り──政略結婚から始まる危険なほど甘い溺愛
「……満足しました?」

問いかけると、誠吾さんは息を整えながら、静かに頷いた。

その姿に、どうしようもなく胸が熱くなる。

「私……上手くできました?」

恐る恐る尋ねると、誠吾さんは思わず吹き出すように笑った。

「それは俺の言葉だよ。」

そう言って、また私を強く抱き寄せてくれる。

その胸の温もりに包まれると、不思議と不安は消えていった。

「澄佳は、満足した?」

低く甘い声に、私は頬を染めながらこくりと頷いた。

まさかこんなことを、これからこの人と重ねていくなんて……。

そう思ったら、自然と誠吾さんを見つめてしまっていた。

──こうして私たちの初夜は幕を閉じ、政略から始まった婚姻は、少しずつ甘やかなものへと変わり始めたのだった。
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