キミノオト
【4】
陽貴side
「よかったら乗り場まで少しお話しませんか?」
気が付いたら、勝手に口が動いていた。
人見知りの自分から、そんな言葉が出るなんて思ってもみなかった。
ペットボトルを落とす前から、彼女たちの会話は聞こえていた。
純粋に話してみたいと思った。
俺の曲に勇気をもらったと言ってくれた彼女と。
俺たちは、“トリノコシ”というバンド名で活動している。
トリノコシの曲は、俺、ギターボーカルの山崎陽貴(やまざきはるき)が作詞作曲している。
高校卒業と同時にメジャーデビューして、5年目。
ありがたいことに少しずつ人気が出てきて、今日は久しぶりにメンバー全員そろってのオフ。
息抜きにみんなでこのテーマパークに遊びに来た。
前回来た時にはまだ完成していなかったアトラクションができたときいて、意気揚々と並んだ俺たち。
並んでいる間も、曲作りのヒントになるものはないか、周りをよく観察する。
なんだか視線が集まっている気がする。
まさかばれた?
いや、だとしたら、もっと騒ぎになってるはず。
よく見たら視線は男性のものばかりだ。
不思議に思いながらも、気にしないことにした俺はまた周りを見渡す。
「よかったら乗り場まで少しお話しませんか?」
気が付いたら、勝手に口が動いていた。
人見知りの自分から、そんな言葉が出るなんて思ってもみなかった。
ペットボトルを落とす前から、彼女たちの会話は聞こえていた。
純粋に話してみたいと思った。
俺の曲に勇気をもらったと言ってくれた彼女と。
俺たちは、“トリノコシ”というバンド名で活動している。
トリノコシの曲は、俺、ギターボーカルの山崎陽貴(やまざきはるき)が作詞作曲している。
高校卒業と同時にメジャーデビューして、5年目。
ありがたいことに少しずつ人気が出てきて、今日は久しぶりにメンバー全員そろってのオフ。
息抜きにみんなでこのテーマパークに遊びに来た。
前回来た時にはまだ完成していなかったアトラクションができたときいて、意気揚々と並んだ俺たち。
並んでいる間も、曲作りのヒントになるものはないか、周りをよく観察する。
なんだか視線が集まっている気がする。
まさかばれた?
いや、だとしたら、もっと騒ぎになってるはず。
よく見たら視線は男性のものばかりだ。
不思議に思いながらも、気にしないことにした俺はまた周りを見渡す。