キミノオト
「ほら、いくよ!たくさん楽しまなきゃ!」

覚悟を決めた私に気づいたのだろうか。

満面の笑みを浮かべた優麻ちゃんに手を引かれ、パークを端から端まで忙しなく歩き回る。

でも、疲れなんて感じない。

すごく楽しい。

自然と笑顔がこぼれている自分に驚いた。

だけどね、優麻ちゃん。

待ち時間の度にカメラを向けるのはやめていただきたい。

「私の海音コレクションが潤ってるわぁ…最高」

なんて、変わり者すぎる発言に思わず苦笑いを浮かべる。

「はっ!推しの写真も撮らねば!」

バッグからぬいぐるみを取り出し、パークを背景に写真を撮る彼女。

スマホの容量がどうなってるのか、少し気になる。

「推し活おすすめ」

私のくだらない疑問など知る由もない優麻ちゃんに、真剣な顔でおすすめされた。

「現実の恋愛もいいけどね。…まだまだ恋愛はする気になれない?気になる人とかいないの?」

アトラクションの列に並びながら、ずっと推しの写真を撮っている優麻ちゃんからの質問。

そっちが気になってあまり内容が入ってこないんだけど。

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