キミノオト

「恋愛はしばらく休みたい。そもそも私なんかが恋愛なんてしたら迷惑かけるし」

「迷惑って何?誰かを好きになるのは個人の自由でしょ」

胸がチクりと痛む。

優麻ちゃんが言っていることも、頭では理解してる。

でも私は、みんなと違って価値のない人間で。

周りを見渡せば、ほかの女の子たちはきらきら輝いていてかわいいのに、私だけが輝いてなくて。

同じ土俵で物事を考えること自体が間違ってる。

黙り込んでしまった私に、優麻ちゃんは困ったように笑う。

「まだ難しいね、急かしてごめん」

そういって頭をなでてくれた手が温かくて安心する。

「じゃあさ、まずは私みたいに推しを作るのはどう?」

名案とでも言いたげな顔の優麻ちゃん。

「まず見た目ベースで、興味のある俳優とかアーティストとかいないの?」

真剣に考えるけど、一つも顔が浮かんでこない。

「海音は昔から外見に興味ないよね。好きな音楽もさ、見た目から入る私と違って、純粋に曲を聴いてそのアーティストにハマってる気がする」

優麻ちゃんは、海音らしいよねって笑ってくれたけれど、そもそも私ごときが人様の外見に優劣つけるのがおこがましい。

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