キミノオト
私はされるがまま。

優麻ちゃんのメイクはすごく上手で、ナチュラルなのに自分じゃないみたい。

髪もゆるく巻いて、少し大人っぽく見える。

「服はこれで」

私の服事情を知っている優麻ちゃんは、手慣れた様子でクローゼットからスカートを選んで、自分の持ってきたパーカーと合わせてうんうん頷いている。

女の子らしいけどカジュアルなコーディネート。

「上出来ね。じゃあ、出かけますか」

いつもパワフルだけど、今日はいつも以上にパワフルな気がする。


普段はあまり使わない駅で電車を降り、駅の周辺を散策。

「とりあえず時間まだまだあるから、ランチでも食べようかね」

「時間?」

この後の予定は時間が決まっているんだろうか。

「まぁまぁ。あ、ここにしよ!」

ごまかすようにカフェに入っていく優麻ちゃんを慌てて追いかける。

どうしても内緒にしたいようだ。

その後、ランチを食べ終えた私たちは、再び周辺を散策して過ごした。

「そろそろ向かおうかね」

「どこに?」

「ついてのお楽しみ」

今日1番のにやにや顔。
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