キミノオト
目が覚めると、腰に違和感を感じた。
私、陽貴君としちゃったんだ。
しかも、私あのまま気を失っちゃったし、慣れてないのバレバレだったよね。
服も陽貴君が着せてくれたみたいだし。
大丈夫かな、幻滅されてないかな。
恥ずかしさと不安で泣きそうになる。
とりあえず、陽貴君を起こさないように気にしつつスマホで時間を確認する。
時刻は5時を回ったところ。
起きるにはまだ少し早い時間。
もう少し寝ようかな、と、スマホを置く。
顔を動かすと、首元に違和感を感じた。
触れてみると、冷たくてかたい。
これは、ネックレス?
慌てて起き上がると、スマホをもう一度手にとる。
カメラを内向きにして確認すると、ハートをモチーフにした華奢なデザインのネックレスが首元で揺れていた。
「かわいい…」
思わず声がもれる。
「そうでしょ、海音によく似合うと思って」
寝ていたはずの陽貴君が、優しく微笑んでいる。
「え、私に?もらっていいの?」
「もちろん。クリスマスプレゼント」
「うれしい、大事にするね」
私は陽貴君にだきつくと、ちょっと待ってて、と言って小走りでリビングへ。
寝室に戻ると、ベッドに腰掛けて待っていてくれる陽貴君。
「私からも、プレゼント。ごめんね、陽貴君がくれたものとは比べ物にならないんだけど…」