キミノオト
【8】
陽貴君とお付き合いし始めてもうすぐ1か月。
あれから一度だけ陽貴君のお家にお邪魔した。
不用意に一緒に外出するのはよくないと思って、陽貴君のお家でまったり過ごしたんだけど不思議と居心地がよかった。
忙しい中で、私に合わせて時間を作ってくれようとする陽貴君。
まだ付き合って日が浅いけれど、既に重荷になっているんじゃないかって不安になる。
悶々とそんなことを考えながら、大量の食材を抱えて自宅に帰る。
今日は日曜日。
加えて、明日は祝日。
土日祝日完全お休みの私は連休を満喫中。
一方、陽貴君は今日もお仕事で帰宅が遅くなるらしい。
優麻ちゃんも推し活!って言って出かけてしまい、時間を持て余していた私。
一週間分の食材の買い出しに最寄りのスーパーへ行ってきた。
今日の夜は陽貴君のお家にお泊りする予定がある。
明日は家でお仕事するから、今晩泊まりにおいでって誘ってくれたの。
お仕事の邪魔になるんじゃないかって思ったけど、陽貴君が何度も会いたいって言ってくれたから、お言葉に甘えることにした。
お仕事で迎えに行けないから明るいうちに移動して、家で待っててって何度も念押ししてきた陽貴君。
何も心配するようなことはないけど、忙しい彼に無駄な心配はかけたくない。
言われた通り、陽が落ちる前には移動するつもり。
時計を確認すると、時刻は11時を回ったところ。
時間はまだたっぷりある。
私は、買ってきたばかりの大量の食材を前に腕まくりをした。