キミノオト

食事を終えると、今日の反省会をする3人。

食事の時とは打って変わって、真剣な顔で話している。

私は、邪魔しないように食器を洗う。

すると、突然陽貴さんのスマホが鳴った。

「すーさんだ、ちょっと出るわ」

マネージャーさんからの電話のようだ。

「はい。うん、うん、あーそうなんだ。ちょうど2人もいるし意見聞いてみる。連絡ありがとう」

「すーさんなんて?」

「ちょっと相談あるんだけど、一回外いい?」

電話を切ると、陽貴君は誠さんと綾さんを連れて部屋を出ていく。

真剣な顔してたな。

きっと私がいるから、気を遣わせちゃったんだよね。

申し訳なく思いながら、拭いた食器を片付ける。

キッチンを片付け終えるとほぼ同時に、3人が和やかな雰囲気で戻ってきた。

悪い話ではなさそうで一安心。

「じゃあ、俺たちは帰るね、ご馳走様」

「邪魔してごめんね。あ、海音ちゃん、陽貴のことこれからもよろしくね。それじゃ、おやすみー」

颯爽と帰っていく2人を見送ると、陽貴君に声をかけられる。

「海音、少し話したいことがある」

なんだろう、さっきの電話と関係あるのかな。
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