キミノオト

「お待たせしました。優麻ちゃんリクエストのハンバーグです」

各々自室でお風呂を済ませ、海音の部屋に行くと、すでに夕食の用意をしてくれていた。

じゃーんと見せてくれたプレートは、まるでカフェのご飯のようにおしゃれで、彩りも栄養バランスも考えられている。

「ありがとう!おいしそう!食べよ食べよ!いただきまーす」

SNS用の写真をパパっと撮って、冷めないうちに早速ハンバーグをぱくり。

「うんまーい!!!!天才!」

私の言葉に、照れながらも嬉しそうな顔を見せる海音。

天使…

かわいいし料理上手だし。

本当、私が男なら迷わずプロポーズしてるわ。

私はここで、帰り道に考えた作戦を決行することに。

「ところで、明日は何曜日でしょうか?」

「土曜日だよ」

「てことは、仕事お休みだね」

「そうだね?」

私の質問に困惑した顔をする海音。

そんな顔もかわい…じゃなくて

「じゃーん!チケットとっちゃいました!明日行くよ!」

私は得意げにスマホに表示されたwebチケットを見せた。

有名なテーマパークのもので、海音の大好きな場所だ。

地元にいたころは、少し距離があるから今日明日で気軽に行けるものではなかったけど、電車1本で行ける距離にきたんだし、少しで
も気が晴れるといいなって。

大きな瞳をさらに大きくして、驚いている海音。

「え、明日?」

「そう!朝から晩まで楽しもう!」

「うん!行きたい!ありがとう」

海音は嬉しそうに笑って、何がしたいか、早速考えているようだった。

少しでも気が紛れてくれたらいいな。

ご飯を食べ終えた私たちは、他愛もない話をした後、同じベッドで眠りについた。
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