キミノオト
【3】
「晴れたね!最高!」
太陽みたいにまぶしい笑顔の優麻ちゃん。
「さすが優麻ちゃん。晴れ女だね」
「ふっふっふ。まぁねぇ」
得意げな顔をする優麻ちゃんは、今日もかわいい。
久しぶりのパークを見渡す。
あぁ、そうだ、この空気。
ここでは、みんなが幸せそう。
この空気が好きなんだよね。
「カチューシャ付けようよ!おそろいで。これとかかわいいじゃん!」
優麻ちゃんは私の腕をひいて、すたすたショップに入っていくと、ささっと私の頭にカチューシャをつけて、満足そうな顔。
「いいね。似合う。これで決定」
即決なご様子。
口をはさむ間もないまま、ささっとお会計を済ませてしまった彼女。
「はい、つけて。撮るよ~」
パシャ
手慣れた様子で流れるように写真を撮る優麻ちゃん。
「早速投稿しなきゃ」
「え、ちょっと待って、私マスクしてないのに…」
今日は、優麻ちゃんからマスクを禁止されてしまったから、顔がさらけ出されていてなんだか落ち着かない。
「マスクなんかいらないよ!そんなかわいいのに何を隠す必要があるのさ。それに、もうあいつに縛られる必要ないんだよ」
確かに、前に進むいい機会なのかもしれない。