キミノオト

唇が離れ、ゆっくり目を開けると、なぜか陽貴君の後ろに天井が見える。

いつの間にかソファに横たわっていたらしい。

夢中で気づかなかった。

「もう大丈夫?」

「え?」

「不安そうな、何かにおびえたような顔してたから」

もうすっかり陽貴君で頭がいっぱいです。

「陽貴君で満たされた」

冗談っぽくそういうと、かわいい、って笑ってくれる優しい彼。

「じゃあ、ご飯でも食べようか」

そういってテーブルにご馳走を並べてくれる。

今日は、陽貴君一押しのお店のテイクアウト。

私が来る前に、仕事の合間をぬって買いに行ってくれてたらしい。

「ありがとう。すごくおいしそう!!」

本当にすべてがおいしそう。

それに、デザートまで用意してくれているし。

目の前のごちそうに思わず笑顔がこぼれた。

「いただきます!・・・おいしい!!」

「喜んでくれてよかった。今日はたくさん食べてね」

どれもがおいしくて、気づいたら今日の嫌な気持ちなんて完全に消え去っていた。

「明日は私に任せてね。今日のご飯とは比べ物にならないけど…」

「海音の作ってくれるご飯はいつもおいしいよ。明日も楽しみにしてる」

陽貴君の優しい言葉に胸が温かくなる。

本当に幸せ。

自信をもって言い切れるくらいに。

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