キミノオト

「海音は全身真っ白だね」

そういってうなじをなぞられる。

「ひゃっ」

変な声が出てばっと口をふさぐ。

恥ずかしい…。

もっとかわいい反応があったのではなかろうか。

とっさに出る声って、本性出るよね。

「手首、あざになっちゃったね」

そういって、優しく腕に触れる。

つられて見ると、両腕につかまれた跡が残っていた。

「元々、痣になりやすい体質だからかな」

「もうちょっと早く迎えにいけばよかった」

申し訳なさそうにいう陽貴君。

「大通りから外れてたのによく見つけてくれたよね。ていうか、そもそもなんで外にいたの?」

「海音が遅いから、心配になって迎えに行ったんだよ。そしたら、海音の声が聞こえた気がした」

耳がよすぎるなんてもんじゃない気がする…。

音楽家ってこういうもの?

「陽貴君が来てくれて安心した。ヒーローみたい」

「海音が俺に助けてって言ったのちゃんと聞こえてたよ。1番に俺を頼ってくれて嬉しかった」

優しい陽貴君。

こんな私なんかのことも宝物みたいに扱ってくれる。

この人には頼っていいんだ。

甘えてもいいんだ。

「大好き」

振り向きざまにふいうちでキスをする。

陽貴君は一瞬固まった後、頭を抱えた。
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