キミノオト
数日ぶりの陽貴君のお部屋。
たった数日なのに、なんだか懐かしく感じてしまう。
もう来ることはないと思ってたのに、私ここに住むのか。
ソファに並んで腰かけると、すぐさま抱きしめられる。
「やっと戻ってきた」
「うん、ごめんね」
「もう離さない」
抱きしめ返しながら、陽貴君の頭をなでる。
体が離れると、吸い寄せられるように唇が触れた。
「こんなところでごめん。今すぐ離れていた分を埋めさせて」
陽貴君に求められるまま、体を重ねる。
「あいつに触られたところ全部俺で上書きする」
存在を確かめるように、でも、私は自分のものだとでも言うように触れる手。
龍也に触れられた時とは全く違う。
快楽で頭がふわふわする。
幸せ。
2人一緒に果てる。
余韻の中、陽貴君から抱きしめられた。
「体中俺のって証でいっぱいだね。すごくきれい。雪の上に花が咲いてるみたい」
満足そうにしている陽貴君。
独占欲の権化だと思うと、その一つ一つが愛しく思える。
「好きでいてくれてありがとう。追いかけてきてくれて嬉しかった。大好き。もう離れてって言われても離れてあげられない」
照れ笑いしながら気持ちを伝える。
「かわいすぎでしょ…」
陽貴君は頭を抱えていた。