【失恋同盟】
「もっとするしかないね?」
「ちょっ…んっ…」
強引…!!
唇が離れて、 必死に息を整える。
「もうっ…佐成くん!」
キッと睨むと、「こわ」と言いながら、クスクス笑ってる。
笑いごとじゃないんだけど…!
上から私を見下ろす佐成くんに、ドキッとする。
目を逸らせないままでいると、ふわっと佐成くんの匂いに包まれた。
「小さいね。かわいい」
「…小さい?」
小さいって、私が…?
「そんなこというの、佐成くんくらいだよ…」
女子の平均身長を軽く超えた167cm。
こんな私を、すっぽり収められるのは―― きっと、佐成くんくらいだと思う。