【失恋同盟】

*

*

*


後悔で、頭が割れそうだった。



「私、駿のこと一度もただの幼馴染だなんて思ったことないよ」



その言葉が、何度も頭の中で繰り返される。

小さい頃からずっと一緒だった。大人になっても、きっと隣にいるんだろうなと思っていた。

でも、違った。
気づいてないうちに、俺がほたるのことを傷つけていた。

ほたるに“好き”と言われてから、何度考えても、ほたるに何を言えばいいのか分からなくて。
ほたるに結菜のことを相談していた自分が、心底憎い。

どれだけ傷つけたんだろう…
そう思うと、ほたるのそばにいることができなくなっていた。

逃げるように距離を置いた俺に、ほたるは何も言わなかった。
なんなら、ほたるも俺のことを避けてたのかも。


何も言ってこないことが、余計に苦しかった。


――好きだって言われたのに、 俺は、何も返せなかった。


< 281 / 286 >

この作品をシェア

pagetop