【失恋同盟】
「何してんの?」
「貝殻拾ってるの」
拾った貝殻を見せると、佐成くんはふっと笑った。
「良かったね」
その笑顔が、海の光よりもまぶしくて。
佐成くんは、海を見ながら目を細めてる。
その横顔が、静かで、綺麗だった。
「私、いつも佐成くんに助けられてばかりだけど、佐成くんにとって私はちゃんと助けになってるかな?」
心の奥にあった不安が、ぽつりとこぼれる。
佐成くんは、優しく微笑みながら言った。
「十分だよ」
本当に?