令和恋日和。 ~触れられない距離に恋をして~
「……そういうこと、もっと言って」
気づけば、芙美は甘えるように呟いていた。自分でも驚くほど素直な言葉が、口からこぼれた。
「もちろん。芙美には、何度でも伝えるよ」
侑の声は、電話越しでも優しく、温かかった。芙美は、ソファに寄りかかりながら、胸の奥に広がる安心感を感じた。
電話を切り、芙美はベランダに出て夜空を見上げた。都会の光に少し霞む星々が、静かに瞬いている。侑の言葉が、まるで心のキャンバスに温かな色を塗るように、彼女を満たしていた。