令和恋日和。 ~触れられない距離に恋をして~
芙美が小さな声で言うと、侑は一瞬驚いたように目を瞬かせ、すぐに柔らかな笑みを浮かべた。
「それは、プロジェクトのチームメンバーで、ただの仕事の話だっただけだよ。でも、連絡しなかった俺も悪い。芙美さんにそんな気持ちをさせちゃって、ごめん」
その誠実な言葉に、芙美の心は完全にほぐれた。互いの誤解が、言葉を通じてゆっくり溶けていく。
ベンチに座り、二人は自然に手を重ねた。冷たい夜風が吹く中、侑の手の温もりが、芙美の心に確かな安心をもたらした。小さな試練はあったけれど、互いに信じ合う気持ちは揺るがなかった。
夜空に浮かぶ星を見上げながら、芙美は心の中で呟いた。
――信じることって、大切なんだ。そして、信じ合える人がそばにいることが、一番の幸せ。
侑もまた、芙美の手を握り返しながら、同じ思いを抱いていた。